ひょっとして…から始まる恋は
ノックをして部屋に入ると教授室にいたのは叔父だけだった。
他の先生達は講義だったかな…と不思議に思いながらドアを閉めてデスクに近付くと、顔を上げた叔父はいきなり言いだした。
「柚季ちゃんは付き合っている男性はいるかね」
ギョッとする一言に焦り、え……と声を発したまま目が点になる。
急になんだと瞬きを繰り返していたら叔父はニコニコと嬉しそうな笑みを浮かべて__
「いや、実はこの間の藤田君の披露宴の時に君を見初めた医師がいてね。是非ご紹介して頂きたいと願われたんだが」
いきなり本人と会わせてもいけないと思い、私に特定の相手がいるかどうかを確かめておこうと思ったそうなのだ。
「付き合ってる人は……いないけど……」
歯切れの悪い返事をしながら頭の隅では久保田君のことを考えていた。
叔父は私の顔色を窺うように覗き込み、そうか、と一言声に出して。
「だったら一度お会いしてみるかね?相手には私から連絡をしておこう」
一応相手の名刺も渡しておこう、とデスク上にある名刺ファイルを取り出そうとする。
それを見て慌て、いえ!と声を跳ね上げてしまった。
他の先生達は講義だったかな…と不思議に思いながらドアを閉めてデスクに近付くと、顔を上げた叔父はいきなり言いだした。
「柚季ちゃんは付き合っている男性はいるかね」
ギョッとする一言に焦り、え……と声を発したまま目が点になる。
急になんだと瞬きを繰り返していたら叔父はニコニコと嬉しそうな笑みを浮かべて__
「いや、実はこの間の藤田君の披露宴の時に君を見初めた医師がいてね。是非ご紹介して頂きたいと願われたんだが」
いきなり本人と会わせてもいけないと思い、私に特定の相手がいるかどうかを確かめておこうと思ったそうなのだ。
「付き合ってる人は……いないけど……」
歯切れの悪い返事をしながら頭の隅では久保田君のことを考えていた。
叔父は私の顔色を窺うように覗き込み、そうか、と一言声に出して。
「だったら一度お会いしてみるかね?相手には私から連絡をしておこう」
一応相手の名刺も渡しておこう、とデスク上にある名刺ファイルを取り出そうとする。
それを見て慌て、いえ!と声を跳ね上げてしまった。