ひょっとして…から始まる恋は
「凄いね」


優秀なんだと言うと、彼は照れてしまい。


「でも、それは保科さんに会ってから考えついたんだけどね」


種明かしをすると不純な動機からだと言う彼に、どういうこと?と聞き返した。


「いずれそのうち分かるよ」


照れ隠しに微笑む彼に首を傾げ、疑問に思いつつも聞き返さないでおいた。


私達は届いた料理を食べながらお互いに感想を言い合い、最後に届いたティラミスも美味しいね、と食べ終えた。


「……俺、保科さんに早く会いたくてさ」


食後のデミタスコーヒーの苦味に眉間に皺を寄せながら話す久保田君。私はそんな彼の一言にドキッとして、ちらっと目線を向けてしまう。


「ラインで話しながら何度会わない?と誘いたくなったか分からない」


でも、私はほぼ定時で上がるから、自分の仕事が終わるまで待って欲しいとも言い出せずにいたのだかとか。


「だからこの二、三日は少し多く残業して定時で上がってきたんだ」


「私に会う為に無理をしてくれたの?」


どうりで少し痩せている様に見えたはず…と思って驚いた。


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