ひょっとして…から始まる恋は
「……信じられない」
そう囁く声がして、私は苦しいと思いながらも、え…?と呟きを漏らした。
「俺、何だかんだ言っても、結局は自分の思いのままに動いてたから。
一緒に居たいと思っていたのも俺で、ラインで毎日でも話してたいと思ってるのも俺の方だけだと思ってたんだ。
ほし…柚季…さんには、ひょっとすると迷惑な時もあるんじゃないかと思って、それでも自分が抑えきれなくて、どうしようもないなと呆れてるところも多かったんだ。
……でも、今の言葉を聞いて、そんな思いは全部要らなかったんだって思った。
ずっとしてきた片思いが、ようやく実りかけてる…と実感してる」
長かった…と呟く声にこっちは涙が出そうになり、それを食い止めるかの様に久保田君の服の裾を握る。
「私……」
(やっぱり間違いなく久保田君が好き……)
ラインで話している時に、ふとそんな感情に襲われてしまい、思わず何も考えずに好きだと打ちそうになった。
けれど、彼が繰り返し私にアタックしてくるものだから、それに押されているだけなのかもしれないとも思い返し、ううん…と首を横に振った。