ひょっとして…から始まる恋は
藤田君に片思いをしている時間が長くて、誰かと両想いになれることなんてないとずっと思い続けてきた。
久保田君が素直に行動したり思いを口にするのに気後れも感じて、自分の株を取られてしまったようにも思っていたけれど__
(違うんだ…。彼と同じように、私も単純に素直になっていれば良かっただけなんだ……)
急にストンと理解が出来て、ほぅ…と深い息を吐き出す。その温もりを肌で感じたのか、久保田君の腕の力が緩み、ようやく楽に呼吸が出来た。
「ごめん。つい嬉しくて」
想像通りに笑いながら涙ぐんでいる彼を見て、クスッと笑い返そうかとも思ったけれど。
「柚季……さん?」
遠慮がちにさん付けで私を呼ぶ彼に目を向け、ゴシゴシと目尻を擦る。
「何だか久保田君を見てると泣けてきちゃって」
悲しい涙ではないと自分に言い聞かせながら指の腹で拭う。彼は少しだけオロオロとしているように見えて、大丈夫…と声に出した。
「幸せだなと思ったの。思いが通じ合うっていいことだね」
久保田君が素直に行動したり思いを口にするのに気後れも感じて、自分の株を取られてしまったようにも思っていたけれど__
(違うんだ…。彼と同じように、私も単純に素直になっていれば良かっただけなんだ……)
急にストンと理解が出来て、ほぅ…と深い息を吐き出す。その温もりを肌で感じたのか、久保田君の腕の力が緩み、ようやく楽に呼吸が出来た。
「ごめん。つい嬉しくて」
想像通りに笑いながら涙ぐんでいる彼を見て、クスッと笑い返そうかとも思ったけれど。
「柚季……さん?」
遠慮がちにさん付けで私を呼ぶ彼に目を向け、ゴシゴシと目尻を擦る。
「何だか久保田君を見てると泣けてきちゃって」
悲しい涙ではないと自分に言い聞かせながら指の腹で拭う。彼は少しだけオロオロとしているように見えて、大丈夫…と声に出した。
「幸せだなと思ったの。思いが通じ合うっていいことだね」