ひょっとして…から始まる恋は
彼は本気で此処へはもう戻らないんだ…と知り、どうしてあんなことを言ったんだろう…と後悔して泣いた。
自分が愚かで仕様がなくて、取り返しのつかないことをしたと思った。


ても、どうしても冷静になれなかった。
誕生してきたことも全て、彼に否定されたような気がして＿＿。



別れた当初は、自分で自分を傷付けたような気分がしてやるせなかった。
でも、日が経つごとにやはり相手に傷付けられたんだ…と感じた。


それ以来、年上の人を見ると嫌悪を覚えるようになった。
男なんて信じられないと思い、誰のことも好きになんてならないと決めた………。



過去の出来事を脳裏で探り、目の前に立つ人を見つめる。
この人は彼じゃないと思うけど、同じ年上だと思うと嫌悪に似たものが湧いた……。



「＿＿木下先生には悪いんですけど、私は彼と別れて以降、年上の男性はダメなんです。

どうしても拭いきれない嫌悪を感じて、自分が惨めで仕様がなくなる。

仕事上での付き合いはこれからもします。…でも、男女の関係としては拒否させて下さい」



< 181 / 190 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop