ひょっとして…から始まる恋は
先生が元カレのように私を裏切る人ではないとしても。
私はやはり年上の人が怖い。
本当は誰かを好きになってこっ酷く裏切られるのが怖いだけだけど、もう今以上に傷付くのが嫌だから＿＿。


「ごめんなさい。私は年下の方がいいんです」


いつか裏切られても自分が年上だから…と言い訳が出来る。それに、浮気をしても子供だしね、と諦めも着くから。


唖然とする彼に向けてぺこりと頭を下げた。
私の話を聞いて、彼も分かってくれただろうと思った。


背中を向けて歩きだしてホッと息を吐く。
三波さんには呆れられるだろうなと思うけど、自分にはこれがお似合い。
もしも彼女に何か言われたら、「年下追って何が悪い！？」と開き直ってやろう。


クスッと頭の中で微笑む。
胸の中では、傷付いたハートが泣いてる。


幸せな人達を見ると悲しくなる。
自分には絶対に手に入らないものだと思うと、心が苦しくて虚しい＿＿＿。


（それでも泣くな美穂。お一人様でも生きていける！）


そんな女性は幾らでもいる。大丈夫だから…と自分を勇気づけた。


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