ひょっとして…から始まる恋は
名前を呼ぶと手を掴み、私が後ろへと逃げ出さない様に食い止める。
こっちはいきなり名前で呼ばれたことにも驚き、目を見張って彼を見つめ直した。
「怖がるなよ、美穂。俺はそんな安っぽいことをするような男じゃないぞ」
囁きながら距離を縮め、こっちは嫌悪だが恐怖だが分からないものが湧き出してくる。
これまでとは違う彼の雰囲気にも圧倒され、ビクビクしながら「離して…」と願った。
「嫌だね」
即座に拒否する彼にプチッと堪忍袋の緒が切れそう。
腕を振り解こうにも力が強くて、返ってぎゅっと握られてしまう。
「認識を改めろよ、美穂」
手に力を入れたままもう一歩彼が近付く。
助けを呼ぼうにも誰も通らなくて、私は悔しそうに唇を噛んだ。
「変な認識を植え付けるな。俺は浮気なんてしない」
常套句を口にする彼にフ…と薄笑いを浮かべた。
「……そんな言葉信じられない」
二度としないとあの人も言った。
あれは一度目の浮気が発覚した後だ。
「浮気しないと言った側からするんだ…って私は経験上知ってる」
こっちはいきなり名前で呼ばれたことにも驚き、目を見張って彼を見つめ直した。
「怖がるなよ、美穂。俺はそんな安っぽいことをするような男じゃないぞ」
囁きながら距離を縮め、こっちは嫌悪だが恐怖だが分からないものが湧き出してくる。
これまでとは違う彼の雰囲気にも圧倒され、ビクビクしながら「離して…」と願った。
「嫌だね」
即座に拒否する彼にプチッと堪忍袋の緒が切れそう。
腕を振り解こうにも力が強くて、返ってぎゅっと握られてしまう。
「認識を改めろよ、美穂」
手に力を入れたままもう一歩彼が近付く。
助けを呼ぼうにも誰も通らなくて、私は悔しそうに唇を噛んだ。
「変な認識を植え付けるな。俺は浮気なんてしない」
常套句を口にする彼にフ…と薄笑いを浮かべた。
「……そんな言葉信じられない」
二度としないとあの人も言った。
あれは一度目の浮気が発覚した後だ。
「浮気しないと言った側からするんだ…って私は経験上知ってる」