ひょっとして…から始まる恋は
身長は中肉中背で、顔は丸くて鼻が低いのが悩み。
ヘアスタイルは最近はやりの切りっぱなしボブで、我ながらそれは似合うと自負している。
コツコツ…と医局棟の廊下を歩く私達の姿は何だか妙に注目されている。
叔父の保科が若い女子を連れ歩くのは、そんなに珍しいことなのだろうか。
視線に見送られながらエレベーターに乗り込み、二階で降りると再び廊下を歩く。
端まで来ると叔父はドアをノックした。
コン!と軽く一回だけ鳴らし、返事も待たずにガチャッとレバーを押し下げる。
「おはよう。皆」
そう言いながら隙間を広げ、ノブを持ったまま中に入って行く。
私は叔父の手放しかけたレバーを握り直し、ゴクン…と唾を飲み込んだ。
「おはようございます。教授」
「今朝も暖かでしたね」
「もう直ぐ桜も満開になりそうだし、恒例の花見会が楽しみですよ」
男女の声が聞こえてきて、少なくとも三人は部屋の中にいるな…と思えた。
「花見会か。もうそんな時期か」
叔父は明るい声でそう言い返し、ちらりと視線を私に流す。
ヘアスタイルは最近はやりの切りっぱなしボブで、我ながらそれは似合うと自負している。
コツコツ…と医局棟の廊下を歩く私達の姿は何だか妙に注目されている。
叔父の保科が若い女子を連れ歩くのは、そんなに珍しいことなのだろうか。
視線に見送られながらエレベーターに乗り込み、二階で降りると再び廊下を歩く。
端まで来ると叔父はドアをノックした。
コン!と軽く一回だけ鳴らし、返事も待たずにガチャッとレバーを押し下げる。
「おはよう。皆」
そう言いながら隙間を広げ、ノブを持ったまま中に入って行く。
私は叔父の手放しかけたレバーを握り直し、ゴクン…と唾を飲み込んだ。
「おはようございます。教授」
「今朝も暖かでしたね」
「もう直ぐ桜も満開になりそうだし、恒例の花見会が楽しみですよ」
男女の声が聞こえてきて、少なくとも三人は部屋の中にいるな…と思えた。
「花見会か。もうそんな時期か」
叔父は明るい声でそう言い返し、ちらりと視線を私に流す。