ひょっとして…から始まる恋は
午後は叔父に頼まれて図書館へ行った。
研究論文を書くのに足りない文献があるから本を探してきて欲しいと言われたのだ。
大学内の図書館に入ったのはこれが初めて。
高校時代には見なかった専門書の類を調べながら、懐かしいな…と思い出していた。
高校の頃もこうやって本棚と睨めっこをしていた。
順番通りに本が並んでないと気が済まなくて、ついつい並べ替えたりもしていた。
その合間に騒ぐ下級生達を怒っていた。
勉強もしている人もいるから静かに、と注意するくらいだったが。
(まさかあれを見られてたなんて……)
花見会の夜に聞いた言葉を思い出して頬が熱くなる。
遠い過去の話なのに、今更のように聞かされると照れくさい。
「それにしてもないなぁ」
叔父が書いてくれた文献資料の本が見つからない。
どれだ〜?と思いながらずっと上の方ばかりを見ていた。
「…あれ?保科さん?」
ドキンと胸の弾ませる声がして、目線を右下に向ける。
私の足元には彼がしゃがんでいて、瞬きをしながら見上げていた。
「藤田君…」
研究論文を書くのに足りない文献があるから本を探してきて欲しいと言われたのだ。
大学内の図書館に入ったのはこれが初めて。
高校時代には見なかった専門書の類を調べながら、懐かしいな…と思い出していた。
高校の頃もこうやって本棚と睨めっこをしていた。
順番通りに本が並んでないと気が済まなくて、ついつい並べ替えたりもしていた。
その合間に騒ぐ下級生達を怒っていた。
勉強もしている人もいるから静かに、と注意するくらいだったが。
(まさかあれを見られてたなんて……)
花見会の夜に聞いた言葉を思い出して頬が熱くなる。
遠い過去の話なのに、今更のように聞かされると照れくさい。
「それにしてもないなぁ」
叔父が書いてくれた文献資料の本が見つからない。
どれだ〜?と思いながらずっと上の方ばかりを見ていた。
「…あれ?保科さん?」
ドキンと胸の弾ませる声がして、目線を右下に向ける。
私の足元には彼がしゃがんでいて、瞬きをしながら見上げていた。
「藤田君…」