ひょっとして…から始まる恋は
驚いて名前を呼ぶと、彼がスクッと立ち上がった。
こんな至近距離で彼と対面するのは始めてで、思わずぎゅっと胸が詰まる。
「どうしたの?午後はオペじゃなかった?」
時刻は三時を過ぎた頃。
時間こそ聞いていなかったけれど、準備とかもあるのではないのか。
「オペならもう済んだよ。大腿部の頚部を固定するだけの手術だから簡単に終わるんだ」
複雑な骨折でもなかったしねと話す。
そうなの…と返事をしながら見ていると、指先に持ったメモ紙に気づかれた。
「何?資料探し?」
「うん、教授に頼まれて。だけど、さっきから探すけど見つからなくて」
医療書にはドイツ語や英語もあって探し難い。
入り口にある検索機で場所を調べてきたがこの調子。
「どれ、見せてみて」
メモに手を伸ばす彼の指先が触れた。
ドキッと胸が弾んでしまい、バカ…と思わず自分を罵る。
「あ…もしかして、この本かな」
自分が読んでいた本を見せ、メモ紙に書いてある文字を追う。
「やっぱりそうだ、ごめん。俺が見てた」
はい、と向けてくる彼に、いいの?と驚いた。
こんな至近距離で彼と対面するのは始めてで、思わずぎゅっと胸が詰まる。
「どうしたの?午後はオペじゃなかった?」
時刻は三時を過ぎた頃。
時間こそ聞いていなかったけれど、準備とかもあるのではないのか。
「オペならもう済んだよ。大腿部の頚部を固定するだけの手術だから簡単に終わるんだ」
複雑な骨折でもなかったしねと話す。
そうなの…と返事をしながら見ていると、指先に持ったメモ紙に気づかれた。
「何?資料探し?」
「うん、教授に頼まれて。だけど、さっきから探すけど見つからなくて」
医療書にはドイツ語や英語もあって探し難い。
入り口にある検索機で場所を調べてきたがこの調子。
「どれ、見せてみて」
メモに手を伸ばす彼の指先が触れた。
ドキッと胸が弾んでしまい、バカ…と思わず自分を罵る。
「あ…もしかして、この本かな」
自分が読んでいた本を見せ、メモ紙に書いてある文字を追う。
「やっぱりそうだ、ごめん。俺が見てた」
はい、と向けてくる彼に、いいの?と驚いた。