ひょっとして…から始まる恋は
高校の時よりも大人になった藤田君のことがもっと見ていたくて、けれど同時に見ては駄目だと思う気持ちも膨らんでいく。
こんな思いを持ったところで無理なんだと感じている。
どうせまた片思いをして終わるんだと知っている。
それなのに。
(何だろう、これ。凄くモヤモヤとして嫌な気持ち)
何に対してかは分からないけれど、どんよりとした暗い気持ちが湧いてくる。
場所が図書館のせいなのだろうか。
薄暗くて湿気があって、書物の匂いが立ち込めているせいだろうか。
(だったら早く帰ろう。いつまでもこんな所にいると駄目だ……)
足早に貸出カウンターへ向かった。
IDカードを見せると本は直ぐに借りられて、しかも文献資料だと言うと期限は半年間だと教えられた。
「先生方の中には遅筆な方もいらっしゃるので」
司書の女性はそう言い、図書のバーコードを読み取ると返してくる。
それを受け取り外へ出てみたが、胸の中に湧き出してきた暗い気持ちは消えず、明るい日差しの中で、心だけが重たい…と感じていた。
こんな思いを持ったところで無理なんだと感じている。
どうせまた片思いをして終わるんだと知っている。
それなのに。
(何だろう、これ。凄くモヤモヤとして嫌な気持ち)
何に対してかは分からないけれど、どんよりとした暗い気持ちが湧いてくる。
場所が図書館のせいなのだろうか。
薄暗くて湿気があって、書物の匂いが立ち込めているせいだろうか。
(だったら早く帰ろう。いつまでもこんな所にいると駄目だ……)
足早に貸出カウンターへ向かった。
IDカードを見せると本は直ぐに借りられて、しかも文献資料だと言うと期限は半年間だと教えられた。
「先生方の中には遅筆な方もいらっしゃるので」
司書の女性はそう言い、図書のバーコードを読み取ると返してくる。
それを受け取り外へ出てみたが、胸の中に湧き出してきた暗い気持ちは消えず、明るい日差しの中で、心だけが重たい…と感じていた。