ひょっとして…から始まる恋は
積み重なっていく想い
藤田君と図書館で会った帰り、駅を出ると急な雨降りに出会った。
いきなり雷が鳴りだしたなぁと思っていたらバケツをひっくり返した様な雨が降ってきて、一瞬何が起こったのか分からず、茫然と雨の中に佇んだ。
「そんな所に立ってたら濡れるよ」
後ろから来た人が肩を掴み、こっち…と言いながら引っ張って行く。
私は雨を顔に受けながらも引っ張る人の後頭部を見つめ、え?あの…と声をかけた。
近くのコンビニの軒下に駆け込んだ人は、大丈夫?と言いながら振り返る。
その顔を見た瞬間、胸がドキッ!と大きく弾み、目を見開いたまま動けなくなった。
「保科さんも置き傘してなかったクチ?」
笑いながらポケットのハンカチを取り出し、自分の髪の毛や服を拭きだす彼。
私の肩に置かれた手は既に離れているのに、ぎゅっと掴まれた感触だけが残されていた。
「いきなり降り出すもんだから驚いたよね」
ハンカチも出さずに彼を見つめている私に気づき、貸そうか?と見せてくる。
「だ…大丈夫…」
ボンヤリしていたと慌て、急いでバッグの中を開いた。
いきなり雷が鳴りだしたなぁと思っていたらバケツをひっくり返した様な雨が降ってきて、一瞬何が起こったのか分からず、茫然と雨の中に佇んだ。
「そんな所に立ってたら濡れるよ」
後ろから来た人が肩を掴み、こっち…と言いながら引っ張って行く。
私は雨を顔に受けながらも引っ張る人の後頭部を見つめ、え?あの…と声をかけた。
近くのコンビニの軒下に駆け込んだ人は、大丈夫?と言いながら振り返る。
その顔を見た瞬間、胸がドキッ!と大きく弾み、目を見開いたまま動けなくなった。
「保科さんも置き傘してなかったクチ?」
笑いながらポケットのハンカチを取り出し、自分の髪の毛や服を拭きだす彼。
私の肩に置かれた手は既に離れているのに、ぎゅっと掴まれた感触だけが残されていた。
「いきなり降り出すもんだから驚いたよね」
ハンカチも出さずに彼を見つめている私に気づき、貸そうか?と見せてくる。
「だ…大丈夫…」
ボンヤリしていたと慌て、急いでバッグの中を開いた。