ひょっとして…から始まる恋は
朝も言ったと思うけど、俺ずっと君に会えるのを楽しみにしてたんだ。

四月になったら会えると思ってたのが今日になって残念だったけど、でもやっと会えたから、今度はもっと距離を縮めておきたいと思う」


真剣になって言うものだから戸惑う。
自分のことをどうしてそこまで?と問いたくなって、じっと彼のことを見てしまった。

久保田君はそんな私の目線に唇を噛み、きゅっと端を持ち上げて……


「俺…高校の時も今も、保科さんのことが好きだよ。だから、今度は靖とじゃなく、俺と二人だけになって欲しい。

……一緒に桜の花を眺めたり、コンビニで雨宿りをしたいんだ」


 
「どうしてそれを…」


知ってるの?と訊けば、彼は微笑んで。


「君と二人だけになった後、靖がいつも報告に来てたから。隠し事するのは嫌だという理由でついでに寄ってくれてたんだ。

あいつは俺が君のことを高校時代にずっと見てたのを知ってたから。
フリーかどうかを探ってやるよ、と言いだして、何かと話する機会を狙っていた。


………実は、あの花見会の後で、俺があいつに君の送りを頼んだ。その時に高校へ寄ってやれよ、と提案をしたのも俺なんだ」


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