花に美少年

「告白ではない・・・と、思う」

「だったら何?」

「お、落としたいって」

「ほう」

「だから、自分のことを知って欲しくて泊めているって」

「随分ストレートね」

「たぶん、からかっているだけだと思う」

運ばれてきたコーヒーに口をつけながら、真奈美が考えるように黙り込む。

「それで、今日は夜勤って言ってあるの?」

「言ってない」

「ふーん」

「だから、夜勤明け真奈美の部屋に行ってもいい?」

「いいけど、私遅番だから昼前には出るよ?」

「うん。大丈夫。それからはホテル探す」

「帰らないの?」

「え?」

「高校生の所」

そんな風に聞かれると、結児君の顔が嫌でも浮かぶ。

「もう行く気ないし、会うつもりもない」

「でも向こうは、芽衣子のこと好きなんでしょう?」

「だからそれは、」

「傷つくよ?挨拶もなくいなくなったら」

「でも」
< 100 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop