花に美少年

「だって、普通気持ち悪くない?」

「気持ち悪い?」

「どうでもいい男からそんなこと言われた状況で一晩過ごすとか、私だったら無理なんだけど。でも芽衣子は昨日も同じ部屋で眠れたんでしょう?その時点で、芽衣子にとってその男は普通よりも上にいるってことじゃないの?」

「そんなこと、」

「悪い気がしなかったから、その後も一緒に居られた」

「・・・」

「だいたい、あんたさっきから顔真っ赤よ。見ているこっちが恥ずかしいから」

「そんなことっ」

慌てて両手で頬を押さえる。

「別に無理に離れようとしなくても、予定通り給料日まで居れば良かったのに」

「そんな予定ないから!」

「せっかくの出会いなのに」

「・・・出会いって」

「もう少し一緒に居るのもありだと私は思うけれど」

そんなこと言われても・・・

「無理だよ。高校生だもん」

「たまにはいいんじゃない?」

「真奈美!」

「だって、結婚するわけじゃないんだから、嫌な気がしないなら付き合ってみればいいでしょう?相手は芽衣子のこと想ってくれているんだから」

< 102 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop