花に美少年

「でも、」

「たまにはさ、誰かにウザイくらいに愛されてみるのもいいんじゃない?芽衣子はいつも、自分ばかり愛を使い過ぎだから」

誰かに、愛される・・・

「まあ、今日一日考えてみたら?そもそも、高校生との恋に反対して欲しいなら、相談相手が間違っているのよね。こんなに面白いネタ、盛り上げないわけないでしょう?」

真奈美が綺麗な顔でニコリと笑う。

「面白いって、私は真剣なのに」

「真剣に悩むってことは、その気ってことよ」

「もー」

「まあでもそれとは別にしても、住む場所どうするの?一応、兄には話してみたけれど」

「本当?」

「うん。明日時間あるなら、物件見に行ってみたら?」

「いいの?」

「たぶん大丈夫。後で連絡してみるね。契約金のこととかはある程度融通利かせるとは言ってくれていたから」

真奈美のお兄さんは不動産屋に勤めていて、前に一人暮らしを考えていた時にも相談したことがあった。その後で例の元カレと同棲することになり、話を聞くだけで終わってしまったのだけれど。
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