花に美少年

でも本当なのだから仕方ない。
告白をされないどころか、男友達と呼べる存在もにいない。
その理由がわかったのは看護学校に通っていた時に友達と行った合コン。

「芽衣子ちゃんって美人なせいか、話しかけにくいオーラあるよね」

隣に座った男に言われた言葉。
あまりにもストレートな言葉に、驚いて返事も出来なかった。
確かに友達にはよく、第一印象とのギャップがあると揶揄われたりするけれど、そんなオーラを出しているつもりもなかったから驚いたし不快だった。
初対面の男に嫌味を言われた気分になった。

だから結児君に出会って戸惑った。
あまりにも自然に話しかけてくる結児君に戸惑った。
口説かれることもそうだけれど、たった数日であそこまで距離を詰めてくる結児君は、どう考えても私とは違う。
社交的の域を超えていると思う。いったいこれまでどんな経験を積んできたのか、想像すると怖いくらいだ。

だけど一番の戸惑いは、そんな結児君と過ごした数日が、自分にとって嫌な時間では無かったと言う事実だ。

でも、私が何を思ったところで現実は変わらない。
私と結児君では何もかもが違う。
年齢だけが問題ではない。

< 106 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop