花に美少年
もしも結児君の言葉が全て事実で、本当に私を想ってくれているのなら、やっぱりこれ以上会うべきじゃないと思う。
不釣り合いだ。私なんて。
「安達さん、大丈夫?」
「え?」
「今日、黙々と仕事し過ぎじゃない?」
一緒に夜勤の先輩が、ナースステーションでカルテを纏める私に声をかける。
「いつも真面目に働いていますよ」
「でも今日は顔が怖い」
「え、ヤバい顔してますか?」
「男にフラれた顔してる」
「先輩、それ最悪ですね」
今日一日、同じところでグルグル回っているような情けない自分に、両手で顔を覆った。