花に美少年

「てか、今日もあの男の、」

「夜勤だったの!」

「・・・え、」

心臓どころか、頭も壊れたの?

「昨日は夜勤だったから帰って来なかったの」

緩んだ腕の中で振り返ると、相変わらず綺麗な顔をした高校生と目があった。

「夜勤・・・え、めいちゃん、もしかしてナースとか?」

「なっ」

「それか介護の仕事?」

「それは、今は関係ないし」

「でも気になる」

「そ、そういうのは言わないって約束でしょう?とにかく、昨日は仕事だったの。それにあの人は友達のお兄さんで、不動産屋さんだから今日は物件を紹介してもらって」

「物件?」

「新しい部屋見つかったの・・・それに婚約者だっている人なんだから、変な誤解しないでよ!」

「じゃあ、今日は?」

「え?」

「今日はどこに泊まるの?」

結児君が私を逃がさないように見つめるから、逃げるように顔を背ける。

「それは、今からホテルを探そうと」
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