花に美少年
「いいよ、探さなくて。ここに泊まればいい」
「それは、」
「めいちゃん」
そんな目で見ないで欲しい。そんな声で呼ばないで欲しい。
「帰らないでよ。ここに居て」
お願いだからそんなこと、言わないでよ。
「・・・明後日までだからね」
ほら、もう本当に、
「やった!それまでは俺が独り占めだね」
どうかしている。
こんなことおかしいのに。こんな予定じゃなかったのに。
さっきから熱くて仕方ない。全部全部、結児君のせいだ。
「今日はハンバーグじゃないの?」
結局泊まることになった私は、コンビニ弁当を食べる結児君を、ソファに座りながら眺める。
「さすがに毎日食べるわけじゃないよ。それに、めいちゃんのハンバーグ食べたから」
「私?」
「うん。だから、ほかのハンバーグの魅力が薄れた」
「・・・」
「また作ってね」
そう言って、甘く目を細める結児君にまた、心臓が煩くなる。年下のくせに、どうしてこうも口が上手いのだろう。