花に美少年
「めいちゃん?」
「ん・・・なに?」
「もうすぐ終わるから、まだ寝ないでよ?」
「うん、」
瞼が、ゆっくりと視界を閉ざしていく。
「めいちゃん」
もっと話さないといけないことがあるはずなのに。
今日だって本当は、ここに居るはずじゃなかったのに。
「ねえ、起きないとちゅーするよ?」
どうしてだろう。
こんなにも温かくて心地良い。
「めーいちゃん」
また結児君に名前を呼ばれるこの夜が愛おしい。
寂しかった心を、どんどん埋めていく。
「本当に・・・無防備過ぎだろ」
結児君は、私のことをどう思っているのだろう。
「ねえ、本当にちゅーしちゃうよ?」
「・・・」
「あと1センチだけど、起きないの?」
こんな年上の女を、本当に恋愛対象として見てくれているのだろうか。
もしそうなら・・・
「芽衣子、キスするよ」
「・・・ん、」
もしそうなら、嬉しいな。
「なんて言って出来たら苦労しないんだけどな・・・おやすみ、めいちゃん」