花に美少年
7day
夢を見た。
だけど内容は覚えていなかった。
でも夢の中で誰と居たのかは、思い出さなくてもわかる気がした。温かい夢だった。
「おはよう」
ロフトから下りると、もう制服を着ていた結児君が声を掛けてくれる。その笑顔は今日も甘い。
「おはよう・・・早いね」
「もうすぐ卒業式のわりに、うちの学校やること多いんだ」
「そっか・・・」
そうだよね。もうすぐ3月だから、卒業だよね。
「めいちゃん、今日は何時くらいに帰ってくる?」
「あ、うん。8時くらいかな?」
「わかった」
結児君が嬉しそうに笑う。
だから少し、気持ちが油断する。
「遅くなってもいいなら、ごはん作ろうか?」
ただのお礼の気持ちだから。
「本当に?なら、めいちゃん帰ってくるの待ってる」
別に深い意味なんてない。
「コーヒー、淹れてもいい?」
「そんなこと聞かなくてもいいのに」