花に美少年
漸く離れた結児君の唇が、全てを物語るように濡れている。
無意識に掴んでいた制服のシャツには、皺が寄っている。
「めいちゃん」
「やっ」
そしてまた近づいて来る唇に、思わず右手を出した。
「も、もうダメ!」
接近してこようとする唇を右手で塞いだ私に、その顔がわかりやすく不満を訴える。
「学校!!」
「いいよ、別に」
結児君が私の手を掴み、自分の口元から離す。
「よくない!」
「なら、帰ったらまたしてくれる?」
「は?」
「この続き」
そう言って、少し垂れた目尻を細めた結児君の舌が、中指と薬指の間を撫でるように舐めた。
どうしよう。理性が吹っ飛びそうだ。