花に美少年
「真奈美・・・」
「だいたい利用しているって話なら、高校生のほうがよっぽど芽衣子のこと利用しているでしょう?」
「結児君が私を?」
「そう。だって、傷心の芽衣子が泊まる場所に困っているとこに付け込んで口説いてるんだもん。それなら芽衣子がそこに甘えても、誰も文句言わないわよ。お互い様」
そういうものなのだろうか。
「だいたい嫌なら今すぐに切ればいい関係なのに、今も一緒に居るって時点で、芽衣子の中に彼を想う気持ちは生まれているってことでしょう?それならあとは単純なことで、その気持ちを育てたいなら、その高校生の胸に飛び込めばいいのよ。一人で悩むより、二人で好きって気持ちを育てていくの。彼だってそれを待っていると思うけど?」
結児君と一緒に、気持ちを育てる。
今はまだ不安定な、芽生えたばかりの気持ちだけど・・・。
「帰ったら、結児君と話してみる」
それでも結児君なら、受け止めてくれるかもしれない。
キスをした時の、真っ赤な顔を思い出す。
「頑張りなさい、芽衣子」
そう言って私の背中を叩いた真奈美に、ありがとうと伝えてから、ロッカールームを後にした。