花に美少年

「めいちゃんがなってくれるかなって」

だから余計に悲しくなった。

「・・・帰る」

「え?」

「ごめん。やっぱり帰る」

首を傾げる結児君の横を通り過ぎて、荷物の置いてあるロフトに向かう。

「めいちゃん?」

そんな私に、結児君が不思議そうな声を出す。
それに少し腹が立った。
どうしてこんなにも普通なのだろう。
自分が何を言っているのかわかっているのだろうか。
て言うか、こんな風に知らされるくらいなら、隠しておいて欲しかった。
だって、まるで私がおかしいみたいだ。

「めいちゃん、どうしたの?」

「触らないで!!」

掴まれた腕を、反射的に振り払った。

「めいちゃん?」

涙が零れそうで、唇を噛んだ。

「ごめん、俺何かした?」

「・・・な・・・なの」

「え?」

「なんなの、これ」
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