花に美少年

その手に錠剤を乗せる私を、結児君がジッと見てくる。

「何?」

「・・・ナース服」

「ナース服?」

「着ないの?」

「・・・え?」

「めいちゃん、ナース服着ないの?」

意味がわからなかった。
熱でついに頭がおかしくなったのかと思った。

「結児君、いいから早く飲んで」

「病院でも、ズボンだった」

「最近はどこの病院もそうだよ」

「なんで?」

「は?」

意味不明過ぎて顔を顰めると、結児君もまた不満そうに眉を寄せていた。

「ナース服着ないとかおかしいよ」

「おかしいって、そんなこと私に言われても」

「他の人はどうでもいいけど、めいちゃんが着ないとかおかしい」

「・・・ねえ、どうでもいいから早く飲んでくれない?」

「めいちゃんがナース服着てくれたら、飲んでもいいよ」

「無理に決まってるでしょう」

「・・・」
< 166 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop