花に美少年
「無言で訴えても無理なものは無理。だいたい現物がないのにどう着るのよ」
「だったら今から注文しよう」
「注文?」
真っ赤な顔をして、辛そうに息を吐きながら、ベッドの上の男子高校生は前のめりになって私を見る。
まるでとんでもなく良い案が浮かんだと言いたげに。
「うん。それで俺が寝ている間に準備しておいてよ」
「準備って、」
「目覚めたらナース服のめいちゃんが待っていてくれると思えば、薬もよく効きそう」
「意味わかんないんだけど」
どこまで本気かわからない男子高校生の言葉を無視して、「さっさと飲んで」と催促する。
「ねえ、めいちゃん」
「薬飲んで」
「・・・わかった。飲む」
その返事と同時に、ゴクリと水を飲む音がする。
「ねえ、めいちゃん」
「全部飲んだ?」
「うん。飲んだ」
「じゃあ、寝て」
「あのさ、」
「私、何か食べられそうなもの作ってくるから」