花に美少年
それから、私がキッチンに移動した直後、結児君は張っていた糸が切れたみたいにぐっすりと眠ってしまった。だから自分が食べる分のうどんを茹でて、先に食事を済ませることにした。
暫くすると、薬が効いてきたのか、結児君の額からは汗が溢れるように出てきて、何度かタオルで拭いてあげた。
やっぱり、高校生のくせによく出来た顔をしている。
ふーふーと苦しそうに息をする結児君を見つめながら、そんなことを考える。
見た目だけなら、年齢差なんて気づかれないかもしれない。
・・・いや、それは言い過ぎか。
でもやっぱり綺麗な顔。
本当は全然タイプじゃない。
白くて肌理の細かい肌なんて、男らしくないと思っていたし、手だってもっとゴツゴツしている方が好き。体格だって、結児君みたいに華奢な身体が隣に立っていたら、私が太れないじゃないか。
そんなの困るんだからね。
本当に困るんだから。
こんな風に好きになる予定じゃなかったのに。
こんなにも好きになってしまった。
「責任取ってくれないと困る」
こんな本音聞いたら、引いちゃうかな。
「結児君、大好きだよ」