花に美少年

こんな時まで、彼は私を褒めてくれる。

「食べたら一回着替えた方がいいかも」

「うん。そうする」

「それで、もう一回薬飲んで寝よう」

「わかった」

素直に頷いた後で、結児君が箸を止めて私を見た。

「ん?」

「あのさ、その前に大事な話してもいい?」

「大事な話?」

突然真剣な眼差しを向けられるから、背筋が伸びる。

「一晩経って、無かったことにされたら困るから」

急に訪れた緊張感に、視線をゆっくりと合わせる。
先に息を吐いたのは、どちらだっただろうか。

「めいちゃんと俺って、付き合うってことでいいんだよね?」

「・・・えっと」

「俺のこと、好きなんだよね?」

はっきりとした口調で、逃がさないとでも言うようにそう聞いた結児君は、私が答えるよりも先にまた口を開いた。

「俺はめいちゃんを彼女にしたい」

「結児君」

「めいちゃんは?俺が彼氏なのは嫌?」

迫ってくる視線に負けそうで、思わず俯く。

「嫌とかではない」
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