花に美少年

「そんな・・・」

「でもまあ、そもそも俺なんて相手にもされないだろうから仕方ないなって思って、その後はそれまで通り、めいちゃんに会えたらラッキーって毎日。でも急に引っ越しが決まって卒業まで一人暮らしになった時に・・・たぶん俺、内心寂しかったんだよね」

「寂しい?」

「うん。一暮らしだから好き放題出来るとか喜んでいたけど、始まってみると不安なことばかりだし、弟も親もいない部屋って静かでつまらないし・・・寂しいって口に出さないけど無意識に感じていたんだと思う」

「そうだったの?」

「うん。そんなの時に、めいちゃんと偶然喋る機会があった」

「・・・私と」

「思い出さない?」

「ご、ごめんなさい」

申し訳なくて結児君を見ると、その目が優しく笑った。

「冬休み入る前くらいかな?一人暮らしになって初めてのゴミの日でさ、ゴミ捨て場に行ったはいいけど分別とかわからなくて戸惑っていたら、たまたまめいちゃんが来て“これはこっちだよ”とか“これとこれは違う日だよ”とか教えてくれた」

「・・・なんか、ちょっと記憶あるかも」
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