花に美少年

「めいちゃん、押し倒してもいい?」

私を抱きしめた結児君が、病人らしからぬ言葉を吐く。

「ダメだよ」

「でも我慢の限界」

「病人なんだから絶対にダメ!」

「じゃあ、風邪治ったらエッチしてくれる?」

「えっ、な、なんでそうなるの!?」

「だって恋人だし」

「ひゃっ」

耳朶に触れた舌に、思わず身体が跳ねる。
生意気な男子高校生の言葉に、私はこれからどれだけ翻弄されるのだろう。

「ああ、そう言えば」

「な、なに?」

「めいちゃんに言ってないことがある」

その言葉に、また突拍子もないことを言われるのではないかと身構えると、結児君は甘い眼差しで口を開いた。

「初めてなんだ」

「・・・初めて?」

「だから、めいちゃんが初めて」

「え?」

それが何を指すのかわからなくて首を傾げた2秒後、想像もしていなかった、出会ってから一番の爆弾が落とされた。

「セックス」
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