花に美少年
「せっくす?」
「するの」
「・・・」
「・・・」
「・・・は!?」
思わず出た声の大きさに自分でも驚いた。だけどそれ以上に、知ってしまったそれに驚いた。だって絶対に、そういうことはもうとっくの昔に経験をしているものだとばかり思っていたのに・・・。
困惑する私を他所に、結児君は動揺ひとつせず、むしろいつも以上に余裕に満ちた笑みを浮かべた。
「う、嘘でしょう?」
「嘘じゃないよ。だから色々教えてね?おねーさん」
「え、待って結児君」
「ダメ。待たない」
「でも、んんっ」
人生はやっぱり、厄介だ。
ありえないほど濃厚なキスに、私はもう諦めることにした。
この綺麗な顔をした年下の男に抗うことを諦めて、ただその甘い蜜の海に溺れることを決めたのだ。