花に美少年
「それはまだこれから」
「え、そうなの?」
「次の土曜日に決行予定」
「いや、そんな得意気に言われても」
面倒くさそうに眉を寄せた弟だけど、「まあ、良かったな」と呟いて、自分の部屋へと戻って行った。
自分でもまだ少し信じられない。
めいちゃんの彼氏になれたことが。
めいちゃんに好きだと言われて、キスまで出来たことが。
「もしもし、めいちゃん?」
「結児君、どうしたの?」
「そろそろ帰ってる頃かなと思って」
「あーうん。さっきちょうど帰って来たところ。結児君は?」
「俺は実家にいる」
弟がいなくなった部屋で彼女に電話を掛ける。
仕事終わりのせいか少し疲れている声も愛おしい。
「そっか。それで?」
「ん?」
「用事あったのかなって」
「用事・・・」
「結児君?聞いてる?」