花に美少年
部屋の中を移動しながら電話をしているのか、電話の向こうは落ち着きがない。
そもそも、用事がないと電話をしたらダメなのだろうか。
「めいちゃんの声を聞きたかっただけだよ」
正直、土曜日まで会えないのだって不満なくらいだ。
だけどそんな俺の言葉に、めいちゃんはケラケラ笑う。
「そういうの高校生っぽいね」
「え?」
「なんか若いなーって」
楽しそうな声色に変わったのは嬉しいけど、その発言には納得がいかない。めいちゃんは年齢ばかり気にするくせに、いつも俺を子供扱いしてくる。
「めいちゃんなんて、前の彼氏の家に押しかけてたくせに」
「なんで急にそうなるの?」
「別に」
「怒ってる?」
「怒ってないよ。拗ねてはいるけど」
もやもやした気持ちでベッドの上に倒れ込む。
あー今すぐ会いたい。
でもそれを言ったらまた子供扱いされるだけだ。
「言っておくけど、結児君のことバカにしたわけではないよ」
「・・・そうなの?」