花に美少年
マグカップを私に渡した男は、キッチンに戻ると、砂糖を三本持ってきてくれた。
「ありがとう」
テーブルにマグカップを置き、砂糖を一本ずつ入れる。
ピンクのマグカップって・・・やっぱり連れ込むの慣れているのかな。
「湊結児です」
「・・・へ?」
砂糖を混ぜることに集中していたから、突然かけられた言葉の意味が分からなかった。
「湊結児」
「みなと、ゆいじ?」」
「名前です」
「・・・」
「あんた誰?ってお姉さんが聞いたんでしょ?」
ユルリと目尻を細めた男の言葉に、やっと意味を理解した。
「みなと、ゆいじさん」
「さんずいに演奏の奏の湊で、名前は結ぶに児童の児で"ゆいじ"です」
「結児」
「ヘンな名前でしょ?」
首を傾げてそう聞く男に、慌てて首を降る。
「そんなこと・・・いい名前だと思う」
「ありがとう」