花に美少年
「その後って、でも」
「きっとそのほうが、気が楽でしょう?」
それは確かにそうで、吃驚するくらい気の利く提案なんだけど・・・。
「でも、それだと困るよ。私も一緒に家出るから」
別の問題が発生してしまう。
「え?別にゆっくりしていいよ?」
「私が!?」
「うん。それで行先決まったら鍵ポストに入れておいてくれたら問題ないし」
なんだろう。
なんなんだろう。
「そんなことしてたら、いつか泥棒に合うよ!」
「・・・え?」
危機感がないって言うか、私のこと信用し過ぎじゃない?
「とにかく、お風呂は明日駅前のスーパー銭湯に行くから気にしないで!それで朝は一緒に出るから!」
「・・・うん。わかった」
「あ、あと、一つ確認したいんだけど!」
「ん?」
マグカップを持ったまま私を見下ろす男が、首を傾げた。
「私、どこで寝るの?」
そう、この部屋に入った時から感じていた違和感。