花に美少年

「困るって、え?だって、ないっておかしくない?そんなに生活費って足りなくならないよね?だって私毎月10万は入れてたよ?他にも必要なものがあれば私のお財布から出してたし、だってお金渡したの12月だよ?まだ2か月しか経ってないのに、な、なんでないの!?」

自分で言うのもあれだけれど、この辺りでも大きな総合病院に勤めていることもあり、給料もボーナスも同世代の子たちに比べたらかなり良い方だと思う。だからボーナスの半分でもそれなりの金額にはなる。
ちなみにもう半分は真奈美と先月行ったハワイ旅行に遣った。本当ならハワイで買いたいバッグがあったけれど、鉄平にお金がないって言われたからそれを諦めて、あの時お金を渡したんだ。
それが、もうないって・・・

「鉄平、ちゃんと説明してよ!」

「車」

「・・・は?」

「この前車買って頭金に使った」

「は?」

本当に、言っている意味が分からない。

「だからあの金はもうない」

「え、え?車って何?いつ買ったの?」

「正月明け」

「正月って・・・何それ?え、だって車なんてどこに」
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