花に美少年
「・・・連れ込むって言い方が嫌」
「ははっ、うん。わかった」
何をわかったのか、湊結児は楽しそうに笑う。
「ねえ、お姉さんって仕事してるんだよね?今日はお休みだったの?」
「えっと、うん。そうだけど?」
突然の質問に、お鍋用のお椀を受け取りながら首を傾げる。
「明日もお休み?」
「明日は仕事。でも昼からだから帰りは遅い」」
「そっか。それなら明日も取りあえず泊まったら?」
「・・・え?」
「だって仕事しながら宿泊先探すの大変そうだし、給料日ってたぶん25日とかでしょ?それならまだ一週間近くあるよ?その間ずっと転々とするのってキツくない?」
鍋の蓋を開けながら、湊結児は当たり前のように提案してくる。
「さすがに悪いから」
「・・・でもさ、俺も明日は夜がバイトでいないし、明後日からは学校だから昼間もいないでしょ?で、夜は基本バイトがあるから家にほとんど居ないんだよね」
「はあ」
「だからね、お姉さんがここに泊まっていてもあんまり顔を合わせないと思うんだ。ん、お椀貸して」