花に美少年

「え!?大学生の家に泊まった!?」

「ちょっと!声大きいよ!!」

病院のロッカールームで会った真奈美に、この二日の出来事を話すと、真奈美がギラギラした目で詰め寄ってきた。

「だって何その展開!?てか、あんたの彼氏って何?クソにも程があるんだけど!?弁護士は!?訴えられるレベルにクソなんだけど!!」

美人のくせに口が悪い真奈美が、怒りが収まらないとナースシューズで床を蹴る。

「うん。真奈美、落ち着いて。そろそろ行かないと申し送り始まるから」

「芽衣子こそ何呑気に落ち着いてるのよ!?今から彼氏刺しに行っても許されるレベルなんだけど!?」

「いや、ここ病院だから、物騒なこと言わないでよ。それになんかもう恨む気持ちにもなれないくらいに冷めちゃったの。これ以上あの男のことで落ち込みたくないし、さっさと忘れたい」

「・・・」

「な、何よ?」

「大学生マジックね」

「・・・は?」

「あーあーいいなークソ男に捨てられたと思ったら、美形の大学生に拾われるなんて」

「拾われるって、泊めてもらっただけだから!」
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