花に美少年
「めいちゃん」
「う、うるさいよ」
「眠い?」
「すっごく眠い!!」
「うん」
頷きながら、クスクス笑う声が落ちてくる。
「一人で寝られる?」
「・・・寝られるもん」
「おねーさん」
「・・・っ」
わざとらしく私を呼びながら髪を梳いた指先が、一瞬私の耳朶を撫でた。全身が痺れるようなその感覚に、思わず息を止めた直後、
「おやすみなさい」
甘い声を注ぐように、その唇が僅かに耳に触れた。
「・・・!?!?」
離れていく気配に、返事なんて出来なかった。
何が起きたのかも自分がどうなったのかもわからない。
軽いパニックみたいな状態で、ただロフトを降りていくその音だけを聞いていた。
・・・何、今の?
何なの、今の!?
やっぱり連れ込み慣れてるよ!
て言うか、女に慣れてる!?