花に美少年
だって、今私の耳朶、カプってされたよ!?
「・・・」
熱くなる耳朶をぎゅっと抓んで、さっき触れた感覚を消すように布団に潜った。
静かな空間に、無駄に煩い心臓の音が響く。
それが少しだけ寂しいと思ったのは、誰のせいだろうか。
その答えを見つける前に、私は急いで瞼を閉じた。
いつだって全ては突然やってくる。
朝目覚めたとき一番に誰を思うかなんて、今の私はまだ知らないし、どんな明日が待っているのかなんて誰も知らない。
もしかしたら、過去を嘆く暇なんてないほどの衝撃が、私を待っているかもしれない。
それでも今確かに動く心臓の音を隠したくて、私は夢の中に落ちていった。