花に美少年

「うん。だってすごい荷物」

「あ、えっとこれは仕事とは関係ないけど」

「そうなの?なら置いていけば?」

「・・・は?」

制服姿の湊結児は、ありえないくらい呑気な提案を私にしてきた。

「だって、今日も帰ってくるでしょ?」

「いや、あのね結児君、気持ちは嬉しいていうか有難いけれど、さすがにもうここにはお世話になれないよ」

「なんで?」

「なんでって、だって結児君高校生でしょう?」

「だから?」

「私、大学生くらいかなって思っていたの。だから頼らせてもらったけれど、高校生ってなると話は別だよ。さすがに甘えられない」

「2か月後には俺、大学生だよ?そんなに気にすることかな?」

どこまでも呑気者らしい男は、不思議そうに私を見る。

「気にするよ!私はこう見えて大人なの!そういうことはちゃんとしてないと不味いの!」

「泣き虫なのに?」

「え?」

「めいちゃん泣いてばかりだから、全然大人に見えない」

「なっ!」
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