花に美少年

「お前が勝手にここに住みたいって言ったんだろ」

「・・・は!?」

「それで知らないうちに引っ越してきただけで、誰も同棲したいなんて頼んでもねーよ」

「は!?」

何それ?何なのそれ!?それって私が頭のおかしい女ってこと!?

「でも!鉄平が毎回送ったりするの面倒だから、ここに住めばいいのにって!ご飯作るの苦手だから、毎日飯作って欲しいって!!」

「本気にするとは思ってなかったんだよ」

「は!?」

「てかさ、」

私の彼氏だったはずの男は、心底面倒臭そうに髪を掻き、またしても、ありえないことを口にした。

「俺、彼女いるから」

「・・・か、彼女?」

あまりのことに、さっきまでの勢いもなくなった。
ムカついているはずなのに、怒りすら湧かなくなった。

「今風呂に居るからさ、出てくる前に帰って欲しいんだけど」

「な、何それ」

「・・・迷惑」
< 8 / 190 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop