花に美少年

「めいちゃん、さすがに警戒し過ぎじゃない?」

「するよ!するに決まってるよ!」

食事の片づけを終えた後、急いでロフトに上がろうとする私を、結児君が不満そうに見上げる。

「何もしないから、一緒に映画観ようよ?借りてきたのがあるんだ」

「べ、別にいい!」

「でもさ、テレビの音だけ聞こえたら気にならない?」

「ヘッドフォンでもつけたら?」

「何かそれってAVでも見るみたいだって、うわっ」

「バカじゃない!?」

ロフトの上から掴み取った枕を投げつけると、見事にその顔面に直撃した。

「めいちゃん暴力的な解決は良くないよ」

「うるさい!スケベ!!」

「まだスケベなことはしてない」

「ま、まだって何よ!?」

「いいから、早くこっち来て」

「無理!」

「・・・そんな我儘ばかり言うと、夜中にスケベなことしちゃうかも」

「は!?」

見下ろした先で、子供らしくない笑みを作る男が梯子へと近づいてくるから、私は急いでロフトに上がろうとする。
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