花に美少年

「意味わかんない」

「めいちゃんを守ってるだけ」

「・・・」

「これ以上傷つかないように、守りたい」

「・・・な、何それ」

誰も傷ついたなんて口にしていない。
守って欲しいなんて、頼んでもいない。

「めいちゃん、」

「今すぐ離さないと、帰るから」

「・・・どこに?」

「どこって、ホテルとか」

聞き返されてから、帰る場所がないことを思い出す。

「もう夜だから、ダメ」

「ダメって」

「こんな時間に外に出るのは危険だよ?」

「私、子供じゃないから」

その腕の中で、自分の体温が上がっていくのがわかる。
自分がどんな顔をしているのか、想像しただけで嫌になる。

「ねえ、めいちゃんって何歳?」

「・・・え、」

「俺より年上なんだろうけど、二十歳とか?でも働いているからもう少し上?」

抱き締めながら、女に年齢聞くってどうなの?

「知りたいなら、離して」
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