16年間、一緒にいてくれた君へ。~人生の最後はやっぱり君と過ごしたい。~
「和真は今、どこに居るんですか?...」

和真の声も震えてる。

「病室で休んでる。」

「有哩...」

有哩を震える目で見つめると私の言いたいことが分かったらしく、「すいません。有紗と2人で少し話してきます。」とハルさんとシンさんに言って部屋を出た。




誰もいない静かな場所にある病院のベンチに2人で座る。

「有哩...」

「分かってる。
寿命のことだろ?」

「うん。
和真にあげたい。
和真には生きててほしい。」

「いや、お前はいい。
俺があげる。」

そう言って有哩は立ち上がって歩きだした。

「ちょっと待ってよ!」

有哩はそれでも止まらずに和真の病室に向かった。
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