16年間、一緒にいてくれた君へ。~人生の最後はやっぱり君と過ごしたい。~
「俺の寿命、あとどのくらい?」

答えられない。

それは有哩も同じみたいで黙ったままだ。

「大丈夫だよ... 和真なら... きっと...」

こんな無責任な事しか言えない自分が嫌になる。

「有紗。
見えてるんだろ?」

答えられない。

不意に有哩が口を開いた。

「大丈夫。
お前は俺が助ける。」

「ちょっと待って、私が助けるから。
和真のためなら自分の寿命あげてもいい。
ずっとそう思ってた。」

「ふざけんな...」

和真の苦しそうな声が聞こえる。

「勝手に決めんな。」

「でも...「お前の寿命貰ってまで生きたくない...」

私の声を遮って和真が叫ぶ。

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