消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
はつこい

好き、特別な朝






——いつからだろう。


彼女を目で追うようになったのは。


その姿を探すようになったのは。


こんなにも焦がれて止まなくなったのは。




金曜はその姿を目に焼き付けて。


休日は月曜が来るのが待ち遠しくて、もどかしい。


外に出るのがだるくて仕方なかった週明けは、今では心弾ませて電車に乗れる。



平日、毎朝の同じ時間に訪れる数分間。


その日を色付けるために必要な、何よりも活力になる、そんな時間。



——僕の1日は、彼女がいないと始まらない。





この時間を壊したくない。


失くしたくない、至福の時。


遠くから見ているだけで満足だと思っていた僕が、まさか。




『——好きです』



どうして、こんなことを口走っているんだろう。




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