消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
「マジかよ!?お前にはもったいねえ美人じゃんよ!俺に紹介しろよ直人!」
「嫌に決まってるだろ!」
哲と言い合いながら、人混みをかき分けて彼女に近づく。
「畑中さん、お待たせ」
「あ、直人くん。お久しぶりです。……ええっと…」
久しぶりに聞いた彼女の声は、雑多の中でも心地よく耳に響く。
と、じーっと僕と隣にいる哲や聖司を見比べて考えるように小首を傾げた。
二人が来ることは事前に伝えていたはずだけど、男ばかりで戸惑っているんだろうか。
「初めまして。畑中咲彩と言います」
しばらくしてからそう言った畑中さんは、綺麗に頭を下げた。
「俺は遠山哲。んで、こっちが柾聖司。よろしくなー」
「よろしく」
軽いノリで自己紹介した哲に続いて、短く挨拶する聖司。