消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。
電車に乗って、待ち合わせの噴水広場に着いた。
時計を見ると、約束の1時間前。
しまった、早く着きすぎた…。
もう少し時間を合わせて来ればよかったな。
いつも先に着く彼女も流石にこんなに早くはないはずだし…。
ぶつぶつ考えながら、噴水前まで歩く。
僕が先に来てたら驚くだろうな…。
もう何度も思ったそんなことを頭に浮かべながら、また想像してみる。
一体どんな反応を返してくれるんだろう。
……楽しみだな。
途中で買ったコーヒーを一口飲んで喉を潤したあと、なんとなく足早に向かっていた。
待ち合わせ場所の噴水前まであと少し。
……の、ところで。
「…!」
ふと見回した僕の目に写ったのは、噴水前のベンチに座る畑中さんの姿だった。