消える世界で、僕は何度でも君に会いにいく。



電車に乗って、待ち合わせの噴水広場に着いた。


時計を見ると、約束の1時間前。



しまった、早く着きすぎた…。


もう少し時間を合わせて来ればよかったな。


いつも先に着く彼女も流石にこんなに早くはないはずだし…。



ぶつぶつ考えながら、噴水前まで歩く。


僕が先に来てたら驚くだろうな…。


もう何度も思ったそんなことを頭に浮かべながら、また想像してみる。



一体どんな反応を返してくれるんだろう。


……楽しみだな。



途中で買ったコーヒーを一口飲んで喉を潤したあと、なんとなく足早に向かっていた。



待ち合わせ場所の噴水前まであと少し。


……の、ところで。



「…!」




ふと見回した僕の目に写ったのは、噴水前のベンチに座る畑中さんの姿だった。


< 119 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop